先週、『遊戯三昧(ゆげざんまい)』という言葉と出会った。
何となく心に引っかかったので、
メモしておいて、後で調べることにした。
仏教用語で《仏のように自由自在な境地/大辞林》という意味だそう。
と言われても何だかよくわからないし、
私のような凡人が仏の境地に至るには何億年かかるか…
いや、何億年かかっても無理かもしれない。
で、もう少し分かりやすい解説を探すと、
《禅の言葉で、「楽しいことをする」のではなく
「することを楽しむ」》というものがあった。
禅の世界では、料理、掃除、洗濯といった
日常生活に関わることすべてを自分で行う。
これらを「仕事」とは思わず、
最大限楽しんで「遊び」にしなさいというのだ。
これを聞いて、何かが胸にすとんと落ちるのを感じた。
私には、20代のころ大きな影響を受けた人から贈られ、
今も忘れられない言葉がある。
『あなたが楽しいと思うことを楽しくできるよう願っています』
当時の私のことをよく理解し、表している言葉だと思う。
楽しんでやれた仕事では、成果や評価、達成感を得られるが、
そうでなかった場合は、あまり実力を発揮できない。
そういうところがあったのだ。
その言葉を贈られて以来、
自分にとって楽しいこととは何か、
それを楽しく行うにはどうすればいいのかを、
ずっと考え続けてきた。
しかし、
心から楽しんでできた仕事、自分で満足できる仕事は、
年に一つあるかないかだろう。
「自分が楽しいと思うことを楽しんでやる」
簡単そうに見えて意外に難しく、
なかなかその本質を捉えることができずにいた。
それが『遊戯三昧』という言葉で、すとんと心に落ちたのだ。
そうか、楽しいことを探し求めるのではなく、
することを楽しめばいいのだ。
ユミ
※コトバのチカラ※
言葉には「言霊(ことだま)」が宿るという。言霊とは、古代日本で信じられていた不思議な力で、発した言葉どおりの結果を現す力があるとされた。
ならば、心に残っている言葉、普段気になっている言葉には、何らかの意味が隠されているのかもしれない。そんなコトバの持つチカラについて考えてみたい。